英語の文書で使われるe.g.とi.e.の意味と違い、使い方は?

英語の文書、とくに論文やビジネス文書によく出てくる「e.g.」「i.e.」

この2つの意味と違い、使い方について解説します。

 

使い方が少し似ていることもあり、よく混同されがちです。

意味が分かるだけでなく、上手に使いこなせるとかっこいいですね。

 

 

e.g.の意味と使い方

「e.g.」の意味はずばり「例えば」です

「例えば」というと、中学校で習って誰もが覚えている「for example」がありますね。

使いわけのコツは後述しますが、意味としては同じです。

 

e.g.はラテン語の「exempli gratia」に由来します。

ラテン語はヨーロッパ古典語の1つで、現在のフランス語やイタリア語などの元になっている言語です。

英語ではラテン語を元にした表現がしばしば用いられます。

 

使い方としては、

The manufacturing processes of a semiconductor (e.g. patterning, etching and dicing) are classified into two groups.

「半導体の製造工程(パターニング、エッチング、ダイシングなど)2つのグループに分類される」

といった感じで、前にある単語の具体例をあげる時に使います。

 

上記のようにかっこで括ってもいいですし、かっこ無しでカンマで区切っても良いです。

かっこ無しの場合、英では「e.g.」とそのまま、米では「e.g.,」と後ろにカンマをつけるのが正式なようです。

 

 

e.g.の同義語と使いわけ方

e.g.と同じ意味で使われる表現としては、

  • for example
  • for instance
  • ex.

などがあります。

 

ex.は「example」「exempli」の最初の2文字を取ったものですが、実際の英語の文書ではe.g.が使われることの方が多いです。

 

for example, for instanceについても意味は「例えば」で、e.g.と同義です。

ただし、for example, for instanceは書き言葉、話し言葉両方で使われるのに対して、e.g.は書き言葉としてしか使いません。

 

書き言葉としての使い方にも若干の傾向はあるように思います。

e.g.は、前の文章に対して、後ろに具体例を列挙するようにして用いられます。

これに対し「for example」「for instance」は文頭や文末に持ってくることもあるなど、比較的使い方の自由度が高いと言えると思います。

 

下記に例をあげておきます。

 

For example, they speak German, French and their own language.

「例えば、彼らはドイツ語、フランス語に加え独自の言語も話します」

 

She has lived in many cities in Japan. Osaka and Kobe, for instance.

「彼女は大阪や神戸など、多くの日本の都市に住んだことがあります」

 

 

i.e.の意味と使い方

「i.e.」は文章の中で、「つまり」あるいは「すなわち」といった意味で使われる表現です

前の文章を具体的に言い換えるという意味では、e.g.と似ていますね。

i.e.とe.g.の明確な違いについては後述しますが、まずはもう少しi.e.についてもう少し詳しく見ていきましょう

 

i.e.はラテン語の「id est」から来ています。

「id est」の意味は「that is」なので、前にある単語を「~ that is …」と後ろに続く文章でより明確に説明したい時に使います。

より明確な言葉で言い換えるので、日本語訳では「つまり」「すなわち」となるのです。

 

 

i.e.の同義語と使いわけ方

前述したように、i.e.は「that is」と同義です。

e.g.と同じように、i.e.も書き言葉として使われるものです。

 

私がメールの文章でi.e.を初めて目にしたときにイギリス人同僚に意味を尋ねると、「in other words」と同じ意味だと教えてくれました。

こちらも同じ意味として使えるので、「that is」「in other words」どちらも同義語として正解です。

 

 

e.g.とi.e.の違い

e.g.とi.e.は、どちらも前の文章を具体的に言い換える表現なので、似ていると言えば似ていますね。

e.g.が例をあげる時に使われるのに対して、i.e.の方はより分かりやすい言葉に置きかえる時に使われます。

 

両者の決定的な違いは、この「置きかえる」という点にあります

置きかえるという事は、前にある言葉と後ろに続く文章がイコールで結べなければいけません

それに対して例をあげる場合は、後にあげた例が前の言葉に含まれていればいいのです。

 

分かりやすい一文をあげます。

 

The three primary colors (i.e. cyan, magenta and yellow) are the basic knowledge of painting

「色の三原色(すなわちシアン、マゼンタ、イエロー)は絵画の基礎知識である」

 

この場合、「色の三原色」と「シアン、マゼンタ、イエロー」をイコールで結ぶことができるので、i.e.で正解です。

「すなわち」といったからには、三原色のすべてを書き出す必要があるのです。

e.g.の場合は1つでも例をあげれば成り立ってしまいます。

 

どちらでも成り立ってしまう文章もありますが、使い方によっては誤った表現になってしまうので注意して使いわけましょう。

 

 

e.g.とi.e.の意味と使い方-まとめ

今回は似て非なる2つの表現、e.g.とi.e.について解説しました。

 

あらためてポイントを整理します。

  • e.g.は「たとえば」、i.e.は「つまり」「すなわち」と日本語訳できる
  • いずれも書き言葉として用いられ、話し言葉ではあまり使わない
  • e.g.は「for example」などと同義で、前の言葉の具体例を後ろにあげるようにして使う
  • i.e.は「that is」などと同義で、前の言葉をより分かりやすい言い方で置きかえるようにして使う

 

これらを参考にしていただき、ビジネス文書や論文をかっこよく仕上げていただければと思います。

 

 

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