英語のリスニング力を上げたい方に読んでいただきたい記事です。
英語を聞き取るって、どうしてこんなにも難しいんでしょうか。
私はドイツに在住経験があるのですが、ドイツ語はわずかしか話せない私でさえ、ドイツ語の聞き取り自体は英語ほど難しく感じませんでした。
おそらく母国語と発音の近い言語ほど聞き取りやすく感じるのだと思いますが、とにかく日本人にとってネイティブの英語を聞き取るというのは至難の業です。
ではリスニング力を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?
TOEICのリスニングテストは簡単?
リスニング力というと、TOEICのリスニングテストを連想する人もいるでしょう。
「簡単」と言ってしまうと大いに語弊はあるのですが、TOEICが聞き取れたからと言って、ネイティブ同士の日常会話が聞き取れたり、CNNやBBCのニュースが理解できるわけではありません。
事実、私のTOEICリスニングは満点の495点ですが、それで仕事上の会話や、英語でニュースや映画を観るのに十分かというと、そうではありません。
TOEICのリスニングテストは、実生活で耳にする英語よりもはるかに聞き取りやすく作成されているので、例えばTOEICのリスニング教材だけで練習していても、実際の場面では「全然聞き取れないじゃん!!」という事になってしまいます。(もちろん最初のとっかかりとしては十分役立つと思いますが。)
聞き流すだけのトレーニングには効果があるか?
「1日○○分英語を聞き流すだけでリスニング力がアップする」などという謳い文句の教材は結構昔からありますよね。
これって効果あるのかな、と考えてみたことがある人は多いのではないでしょうか。
確かに英語圏の人は赤ちゃんの頃から英語を聞き続けているわけだし、「英語耳」なんて言葉もあるくらいだし、英語話せそうな有名人が宣伝してるし、なんて風にちょっと期待しちゃいますよね。
しかし個人的には、明確な効果を感じるのは難しいんじゃないかな、と思っています。
理屈上は、正しい英語を繰り返し聞き続けることによって耳慣れを起こし、正しい英語と正しくない英語のチェック機能みたいなものが備わるような効果は考えられます。
ただし、それが1日10分聞き流すだけで着実に身につくかというと、甚だ疑問に感じます。
リスニングを鍛えるトレーニングとは?
もちろん、実際にネイティブと会話する機会が日常的に一定時間あればかなりいいリスニング練習になりますが、そう恵まれた人は少ないと思います。
また機会があったとしても、英会話を長時間するのは非常に疲れますし、スムースに会話できない状態で付き合ってもらうのも、なんだか気が引けてしまいます。
というわけで一人でもできるトレーニングがあるとうれしいですね。
一人でできる練習法として、私が一番効果があったと思っているのは、英語の映画を利用する以下のような方法です。
DVDで英語の映画を観る時、日本人であれば日本語吹き替えか、日本語の字幕かどちらかで観るのが普通だと思います。
しかし多くの映画DVDは、英語の字幕を表示させることもできるようになっているのです。
この機能を利用します。
具体的なやり方は?
具体的な方法としては、1つの映画につき、字幕の設定を変えて次のような順番で観ます。
音声は常に英語です。
- 日本語字幕付きで観る
- 英語字幕付きで観る
- 字幕なしで観る
1は映画の内容を知っておくためです。
よほどハイレベルな人でなければ、このステップは必要だと思います。
内容が全然分からないと、そもそもつまらなくて続けられないからです。
2はトレーニングの肝なので、ここは同じ映画で何度でも好きなだけ繰り返します。
毎日時間を決めて少しずつ、というのでもいいと思います。
私の場合は、毎晩夕食を取りながら30分くらいやっていました。
半分娯楽、半分トレーニングという感じで苦も無く続けられました。
2で耳から入ってくる音声と目から入ってくる字幕の英文が違和感なく合致するようになってきたら、3で字幕なしで観てみます。
字幕なしで英語がすんなり入ってくる、素敵な感覚が味わえます。
効果を上げるコツと注意点は?
最初の方に書いた「聞き流すだけの練習法」にはこのようなステップがないために、十分な効果が得られないのだと私は思います。
またそうした教材では、同じ人が一人で話していたりするものもありますが、それではその人の声質や発音に偏ってしまうことも問題点です。
英語字幕を用いた映画鑑賞トレーニングは、物語を通してちゃんと意味や脈絡のある英語を、多くの登場人物から聞き取るの積極的なトレーニングです。
このトレーニングに使う映画を選ぶ際は、以下のようなことを念頭においてください。
会話の量と種類
そもそも会話が多ければ多いほどいい練習になります。
アクションなど視覚メインのものはあまり向きません。
また自分が英語を使うシチュエーションがビジネスなのか、留学なのか、海外生活なのかなどを踏まえ、映画の中でどんな会話が多く含まれるのかを考えて選ぶようにしましょう。
どの国の訛りか?
アメリカで生活することを想定しているのに、イギリスの映画を観て英国訛りに馴れてもしょうがないですね。
英語には種類があると思ってください。
好きな映画を選ぶ
これも重要です。ちゃんと娯楽的な要素もないと続けられませんから。
ただ、あまりに日本語で繰り返し見たものや、つい最近見たものだと「このシーンはこう言ってるんだよな」とセリフ自体を覚えてたりします。
なので昔見たことがあってだいたいあらすじが分かってる、くらいのものがちょうどいいかもしれません。
英語字幕があるかどうか
そもそも英語字幕がないものもあるので、確認してから買うなり借りるなりしましょう。
英語字幕を利用したリスニングトレーニング-まとめ
というわけで、英語字幕で映画を観ながらリスニング力を鍛えちゃいましょう、という練習方法の提案でした。
いかがでしょうか?
リスニングはなかなか一朝一夕にはいきません。
とはいえ、ただ海外に長くいればいいというわけでも、四六時中英語を聞き流していればいいというわけでもありません。
やはり積極的なトレーニングは必要だと思います。
どうせやるなら、楽しく、長く続けられるものが良いですよね。
一度、お試しいただければと思います。