英語のselectとchooseについて、意味の違いと使いわけ方、例文などを見ていきましょう。
どちらも日本語で「選ぶ」という意味ですが、ニュアンスや使用方法には微妙な違いがあります。
ちょっと分かりにくいこの2つの単語の違い、正しく理解して使いわけることで差がつきます。
selectとchooseの意味の違いは?
一見わかりにくいこの2つの単語の違いですが、整理してみるとそれほど難しくはないと思います。
selectの意味と特徴
selectは、リストのような3つ以上の選択肢の中から最善あるいは最適なものを慎重に選ぶ、というニュアンスを持っています。
また口語的というよりも、コンピュータが人間に選択を求める(例:表示言語の選択など)場合や、選択式の試験の設問のように、比較的硬い表現をする時に使われることが多いです。
そういえばTOEICでもそうですね。
リスニングテストのPart1、絵を見て複数の文章からもっとも的確に絵を表している文章を選ぶ問題のDirectionに、
When you hear the statements, you must select the one statement that best describes what you see in the picture.
と書かれています。
このようにselectは、選択肢のある中から慎重に選ぶという時に使います。
selectの特徴
- フォーマル
- ベストなものや最適解を選択する
- 慎重に選ぶ
- 3つ以上の選択肢のある中から選ぶ
また受動態または名詞で用いられることも多く、「厳選された」「選抜された」「選ばれし」といった意味になります。
このことからも、selectで行う選択は、複数の中から優れたものを選抜することだという事が分かりますね。
chooseの意味と特徴
chooseはより主体的な選択を意味します。
ベストなものを選ぶというよりも、好きなもの、必要なものなど、本人の希望するものを選ぶ時に使います。
主体性という意味では、「選ぶ」という意味の中でも、より「決める」というニュアンスが強いと思います。
二者択一の場合でも、不特定多数から選ぶ場合でも使うことができます。
chooseの特徴
- 主体的
- 好き嫌いなど、本人の意志をもって選ぶ
- 希望するものを選ぶ
- 選択肢の有無は不問
selectとの違いは、名詞として使う場合の「selection」「choice」の違いでも明白です。
selectionなんて高級百貨店の○○フェアーみたいなのでよく使いそうな響きですよね。
「厳選されたもの」「選りすぐられたもの」を意味します。
一方のchoiceは良し悪しではなく、意志を持った選択を指しています。
going or not, that's your choice
(行くかどうか、それは君の選択だ)
みたいに、人の意思による選択を意味します。
selectとchooseの例文
意味と使い方の違いが分かったところで、いくつか例文を見ていきます。
selectを使った例文
Please select the payment method.
「支払方法を選択して下さい」
インターネットで買い物をしてウェブ決済するときなどに、必ず訊かれるのがこれですね。
クレジットカードか、銀行振り込みか、着払いか、など複数の選択肢の中から最適な1つを選択するので、ここではselectです。
A meeting was held to select the Japanese marathon runners for the Olympics.
「オリンピックのマラソン日本代表選手を選抜するための会議が開かれた」
このように複数の候補者の中から代表選手を選考するような時も、まさにselectが最適ですね。
We only use the carefully selected materials in our restaulant.
「うちのレストランでは入念に厳選された材料しか使っていません」
ありとあらゆる素材の中から熟考して厳選した素材、というように選りすぐられたものを指す時にもよく使われます。
chooseを使った例文
Why did you choose that?
「なぜあれを選んだの?」
chooseは主体的に選ぶものなので、選んだものが必ずしも他人から見てリーズナブルなものとも限りません。
この文章では、それを選んだあなたの意図・希望はどこにあったのか、という事を聞いているのですね。
We chose not to go to the hospital.
「私たちは病院には行かないことにした」
choseはchooseの過去形ですね。
chooseは決断を表す言葉でもあるので、このように「~に決めた」というような文章にも用います。
choose at random
「無作為に選ぶ」
主体的な動詞といえど、at radomをつけることで「無作為に」となります。
「select at random」という言い方はしないかというと、そうでもありません。
あくまで使い方の似た単語なので、どちらのニュアンスに近いか微妙なケースなど、どちらを使っても不自然ではない場合もあります。
もう1つの「選ぶ」という単語、pickの意味と使い方
selectとchooseの違いについて触れてきましたが、「選ぶ」という意味でよく使われる英単語がもう1つあります。
pickです。
「選ぶ」という時にpickがすぐ出てくる人は、かなりの英語上級者ではないでしょうか。
日本語では同じ「選ぶ」という単語で表されますが、pickにもselectとchooseとは違う役割があります。
pickを使うのは、それほど重要でないことやものを、パッと直感的に選ぶ時です。
pickする対象物は、selectのように最善であったり、chooseのように自分の希望のものである必要も特にありません。
気軽に、そこにあるものの中からさっと選ぶような「選ぶ」なのです。
pickの特徴
- 日常的、カジュアル
- 深く考えない
- 気軽に選ぶ
- 重要な選択やフォーマルな場面では使わない
pickは重い選択には似つかわしくありません。
分かりやすく対比的に言うと、例えば服を買う時に、
- 試着のために色違いをいくつか選んで(pick)試着室にもっていく
- 最終的にその中から1つを選んで(choose)購入する
といったイメージになります。